2020/05/05 12:56


祖母の着物をワンピースに仕立て直している。

祖母は、洋裁で父とその妹を育て、ミシン踏んでいる背中しか見せていなかったと言っていた。
あの世代にしては背も高くて、モダンなものが好きで、私にとっては「洋裁」の人だったから、こんなに着物を持っているとは思わなかった。でも、その世代は着物で育っているし当然と言えば当然なのでした。

着物をほどくのは、確かにまあまあ大変です。(試みたひと皆がそう言う)
ほどきながら、縫った人を思う。ここはミシン使っちゃうんだね、ここは丁寧に縫ってるね、幾つくらいの時に作ったんだろう、もしかしたら、ずっと身近に写真を置いていたお姉さんのものかもしれないな、、 私が小学生の頃には、祖母は旭川にひとり暮らしをして居て、長い休みに電車に乗って遊びに行ったりしていた。
その頃スイミングに通っていた祖母、
「しをりちゃん、おばあちゃんバタフライができるようになったからプールに行こう」
と言ってプールに連れていかれたりした。

冬には視覚障害の人の補助としてクロスカントリーをしたり、旭川で「ひとり暮らしの老人ふれあいの会」なるものを作ったりしていた、なかなか意欲的なおばあちゃんでした。

息子と娘がいる札幌に住むようになってから、祖母はヘルニアになりました。
内心「バタフライのせいでは」と思っていた孫ですが言いませんでした。祖母は手術でとったヘルニア(お医者さんが瓶に入れてくれたらしい)を冷蔵庫に保存していて見せてくれた。むしろ武勇伝のようでした。

そんなことを思い出しながらワンピースを作っているのですが、たぶんおばあちゃんは、
「あらーしをりちゃんたいしたいいんでない」と言ってくれるでしょう。とっても素敵にできそうです。