2016/06/25 12:33

「ほんをよむこと」

「しをりさんはいつも 理由を考えてる」
友人にそう言われたとき、ほんとうにそうと思った。
なにか納得のいかないことが起こったとき
信じられないようなことがあったとき
それでも信じたいと思ったとき
そんなことになったのには、何か理由があるはず、
と、そう思いたいだけなのかもしれない。
そして延々考え続ける。
答えなどそう簡単には出なくてそれで仕方がない。

本を読むとき、なにかを期待しているだろうか
と、ふと思った。
人生の指針になるようなこと、
悩みをすっきり解決してくれるようなこと、
そんなことが今手にしている一冊にあるだろうとは
思っていない。
確かに、今までに何冊も「なにか」の答えを
教えてもらったように感謝している本があるけれども。
ただその「なにかの答え」は、いつ訪れるのかわからなくて
訪れても気づいていなかったことも、きっとある。

それくらい、なにもかもが不意に起こるので
息をして、必要なくらいのごはんを食べたり
眠ったりするのとおなじくらいに本の言葉をとりこんでおく。
私がいつも探してしまう、「理由」は、
いろいろな物語、架空だったり現実だったりのなかに
あるように思えたりする。

ささやかな、生きるためのちから、
そんな気がした。