2016/05/20 20:47

【60つぶのたね】2016.5.29
本と珈琲のある時間 (お申込みはスロウな本屋さんへ)


高校生の頃、憧れていた珈琲店がありました。
暖簾をくぐって入る珈琲店。...
奥に細長い店内には、
きびきびと働く店員さんがいて
お店の人たちが働く様子を見るのも好きでした。
なにか特別してくれたり話しかけたりしてくれる
わけではないのに、その店の席に居ると、
わたしのその時間をお店のひとが守ってくれているのが
わかりました。

数年後、わたしはそのお店で働き始めました。

そのお店は、わたしにとって、
映画のような
小説のような
音楽のような
コースのお料理のような
珈琲店でした。

お客さんが味わう珈琲は、
マスターが焼いた深煎り豆。
それを男性スタッフがネルドリップしていました。
砥部焼の梅紋の珈琲カップは口当たりもよく
重さもちょうどよく。
店内はすこし暗めで音楽はクラシック。

珈琲を美味しくするもの。
そこにはそれが、たくさんあったのです。

スロウな本屋店主、小倉さんが
「この本が好きなんです」と
にっこりしながらわたしに差し出してくれた本

【ヴァンゴッホカフェ】

ヴァンゴッホカフェには、「魔法」があります。
一体どんな?
この本のなかの人たちで、
「魔法」に気づいている人は、
どれくらいいるのだろう。
わたしたちは、
毎日、身近な人や、知らない人や、
たくさんのひとがくれる「魔法」に
いつのまにかかかって、
幸せを貰っているのかもしれません。

ヴァンゴッホカフェの魔法を読みながら、
わたしが思い出したのは、札幌のあのお店の魔法。

どんな珈琲がよいでしょう
お話しながらお湯を沸かして、珈琲豆を挽く、
珈琲を淹れていく、香りを届けてから
珈琲カップをお客さまのもとへ。
そして本を読みながら
魔法のことについて考える、そんな時間です。
さて、どんな魔法にしましょう。