2018/10/10 18:56

札幌時計台裏「珈琲店 北地蔵 」で朝からクロワッサンを焼いた日には、昼過ぎに仕事が終わる。当時女性スタッフはロングスカートで勤務していたので、それを着替え、中番・遅番のスタッフや常連さんに挨拶をし、店を出ると、雪の無い時期なら自転車、雪の季節なら地下鉄に乗って、喫茶店に行くのを楽しみにしていました。
森彦、ランバン、宮越屋珈琲、苺館は開いているかな、それともサクラムーン、倫敦館、麻生茶寮、ラ・クレーマイエにしようか。それとも小樽まで足を伸ばしてさかい家へ、、。(ああ、書ききれません)
珈琲店で仕事をして、喫茶店に行くことが楽しみ、そんな二十歳そこらの私に、先輩スタッフが手渡してくれたのが、「TOKYO CAFE MANIA」川口葉子さんの著作だったのです。まだカフェという言葉を使うことも無かった頃。その本で私はカフェに出会いました。
「カフェノナマエ」は、川口葉子さんの持つ文学的な視点が生んだガイドブックを越えた読みもの、そんな印象を持ちます。

北地蔵で働いていた頃から20年程経ち、このような美しい本に名を載せて頂いたこと、当時の私が知ったらどうなるのでしょう。卒倒しそうな気がしますので教えないことにします。

感謝を込めて。